光の当たる場所、当たらない場所、冷蔵庫内にそれぞれ入れて8日おいた。予想を述べると、同じ豆植物、ダイズは暗所でも発芽してもやしとなることから、アズキも同様に暗所でも発芽するだろう。また冷蔵庫にいれたアズキは発芽しないだろう。
室温明所では播種3日ごろから発根する個体が見られた。その後経過につれて発根個体は増加し、根も伸長した。
写真はないが室温暗所でも同様に発芽が進んだ。しかし初発芽を確認したのは室温明所よりも遅い、播種4日目だった。
また予想通り、冷蔵暗所(冷蔵庫内)のアズキは一向に発芽しなかった。
発芽した種子は播種2日程度で吸水して実験開始時点より3周りほど大きくなっていた。しかし、冷蔵暗所の種子は5日目まで種子の膨張が見られずに8日目になっても1周り程度しか大きくなっていなかった。
播種8日目で発根したアズキ種子は1)室温明所では40/42個体(95%)、2)室温暗所では42/42個体(100%)、3)冷蔵暗所では0/42個体(0%)だった。
室温明所と室温暗所のアズキの成長を比較すると室温明所のアズキでは室温暗所と比べて主根が平均6mm長かった(下はグラフ、根のcsvデータが欲しい人はこちら)。
結果からアズキは光条件に関わらず発芽することが確認できた。しかし、主根の長さなど成長の速度は明条件の方が早いように見えた。光があった方が発芽成長が促進されるのか?という疑問が浮かんだ。だが実際は光が当たることで温度が暗条件よりも温度が高まり、成長が促進されたのだろう。
予想通り冷蔵庫のアズキは発芽しなかった。冬場に発芽しても生育できないので自然に思う。しかしそもそも種子が吸水しなかったことは意外だった。イネなど胚乳植物では吸水をきっかけにデンプンが可溶性の糖に分解されて更なる吸水が促進されることが知られている。アズキは子葉植物だが同様に代謝により吸水発芽促進させる機構があり低温では代謝が低下、吸水阻害、発芽不可となった可能性があるのではないか(子葉植物について調べる必要あり)。このことは上述の光条件で温度上昇による成長促進も説明できる。
結論として光の有無はアズキの発芽に影響を与えないが、高い気温は発芽のスピードを高める
((しかし発芽率90%とはものすごく優秀だ。食用豆の品質のよさを感じた。))
次に冷蔵庫の未発芽アズキをそのまま、室温明所に移したら発芽するのか調査してみた。
冷蔵庫の未発芽アズキをそのまま、室温明所に移して4日間おいた。
移行2日目から発根が観察できた。少なくとも1週間の低温環境では発芽能力は低下しないことが示された。
初回編集2021年5月16日