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全糖の定量:フェノール硫酸法

糖は硫酸によってフルフラールとその誘導体に加水分解される。この誘導体がフェノールと反応すると橙黄色(吸収極大480-490 nm)を呈する。この性質を利用して全糖を定量できる。

実例:反応から比較まで

手順

  1. 0、0.5、1.0、1.5、2.0 mM グルコース水溶液をそれぞれ0.4 mLずつ試験管に入れる
  2. 各試験管に5%(w/w)フェノール水溶液を1 mL加える
  3. 各試験管に硫酸を2 mL加える
  4. 室温で30分置いて反応させる
  5. 反応液の[490 nm]の吸光度を測定する

*2.の5%フェノールは冷蔵保存で1年以上利用可能[1]

結果:糖濃度と色

写真とグラフで示す

反応後溶液

図 異なる濃度の糖の定量

左の試験からサンプル元濃度0、0.5、1.0、1.5、2.0 mMのグルコースを硫酸とフェノールに反応させて呈色した。糖の濃度が上昇するに従い、反応液もより濃い色に変化したことが目視で確認できた。

これら反応液の吸光度[490nm]を測定したら、検量線を作成できる。

参考

  1. フェノール・硫酸法による糖定量法の検討、主に夾雑物の影響について:富士川、塩見、向井、和田:農化 第48巻、第9号、p483-491、1974 (考察より)

初回編集2021年3月29日