ホーム>>実験室実験>>excel:T検定

初めに。このページは基本的に関数の使い方だけ記述します。統計論的内容は他のサイト様にて詳しく説明されています。また使い方についてはExcel のヘルプとラーニング(公式)も参考になります。

T.TEST 2群が平均値の等しい母集団から取り出されたものであるかどうか

限られたサンプル数における2群が同一であるのか、あるいは別の母集団に属するのかを考慮したいときにT検定を用いる。excelにはその関数として"T.TEST"が用意されている。(ほぼ同様な"TTEST"関数も存在するがこれを改良したものが"T.TEST"であるとhelpに書いてある。よって使うことはない)少ないサンプル数で正規分布のような形をとるT分布における存在確率によって検定を行う。T分布はサンプル増加するほど正規分布に近づくのでサンプルが多いほど正確性は高まる。2群間の総当たりを繰り返したら3群以上に対しても差を検討できるように思えるが、検討の多重性の問題から推奨されない。3群以上に対しては分散分析を行うべきである。

実例

helpを参考に利用法の流れを示す。

  1. excelにデータを入力する
  2. data1[3,4,5,8,9,1,2,4,5]

    data2[6,19,3,2,14,4,5,17,1]

  3. データとは別のセルに"=T.TEST()"と入力する
  4. カッコ内にデータを指定する。T.TEST(データ①範囲,データ②範囲,,)とコンマ(,)区切りで入力する
  5. 3番目、4番目の項目に2(両側分布)、1(検定の種類)を指定する
    • *検定の種類
    • 1: 対をなすデータの t 検定
    • 2: 等分散の 2 標本を対象とする t 検定
    • 3: 非等分散の 2 標本を対象とする t 検定
  6. Enter キーを押して結果を表示する(下の写真)
  7. T.test手順

結果としてp値(0.196016)が表示される。この値を参考に「2群には差がある」とみなすのかどうか判断する。

[検定の種類について]

上のデータにおける結果の値は'検定の種類'によって異なる。このdata1/2では

    [検定の種類による結果の違い]
  • 1: 対をなすデータの t 検定 -> 0.196016
  • 2: 等分散の 2 標本を対象とする t 検定 -> 0.191996
  • 3: 非等分散の 2 標本を対象とする t 検定 -> 0.202294 となる

特に2群が等分散か否かを仮定しないなら「1 対をなす検定」を行えばいい。等分散であるか検定する'F.TEST関数'もExcelにはあるが、t検定の事前作業として等分散の検定を行うことは検定の多重性から推奨されない。(この考えは比較的最近のものだと思う。手元にある15年程前の教科書では等分散検定をするように書いてある)

最終編集2020年12月22日